白内障手術のQ&A
手術はどなたにとっても不安なものです。
少しでも安心して手術をお考えいただけるように、白内障手術について患者様からよくいただくご質問と、それに対するご回答を以下に挙げさせていただきました。
手術をお考えになる際のご参考になさって下さい。
Q. 手術は痛いですか?
A. 手術は目だけに麻酔をする局所麻酔で行います。(全身麻酔は行いません。)
手術中は、目を触られる感覚や少し押されるような感覚、また手術中に使う目薬がしみる感覚などはある方が多いですが、ほとんど痛みはありません。
Q. 麻酔は注射ですか?
A. 一般的に白内障の手術は目だけに麻酔を効かせる局所麻酔で行いますが、当院では白内障手術の際の局所麻酔は、点眼薬を滴下するだけの方法で行っております。
注射は致しませんので、麻酔時の痛みはまったくありません。
Q. 手術時間はどのくらい?
A. 普通はおよそ5~10分程度です。(患者様の目の状態によって変わります。)
Q. 体の病気があっても手術を受けられますか?
A. 当院では、短時間で体への負担も軽い手術を心がけておりますので、よほどお身体の具合いが悪くない限り手術はお受けいただけることが多いですが、とくに内科的な持病をお持ちの方には、原則的に手術前にかかりつけ医へのご相談をさせていただいております。
なお、全身麻酔や入院での手術が必要な方には、対応可能な施設をご紹介させていただきます。
Q. 手術前の通院回数は?
A. 通常、目の検査や手術の説明などで手術前に2~3回通院していただいております。
Q. 手術後の通院回数は?
A. 手術翌日→手術後2日日→4日目→7日目・・・というように少しずつ日数を開けて診察を受けていただき、だんだん間隔が開きますが、おおむね3~6ヶ月間は通院していただきます。
(患者様の眼の状態により通院頻度は異なります。)
Q. 眼帯はしますか?
A. 手術の当日は、手術した目に眼帯をしてお帰りいただきます。
眼帯は翌日の再診時までつけていただきます。手術翌日以降は眼帯は外し、代わりに保護のためのゴーグルや眼鏡を約1週間ほどお使いいただきます。
Q. 家族や付き添いの人がいなくても手術を受けられますか?
A. 手術の準備から手術中、手術終了後の身の周りのことまで、当院スタッフがすべて丁寧にお手伝いをさせていただきますので、付き添いの方がいなくても手術はお受けいただけます。
手術後は、少し落ち着かれるまで回復室でゆっくりお休みいただいてからお帰りいただきます。
お一人で手術を受けに来られる方も多くいらっしゃいます。
Q. 両目とも手術を受ける場合、同じ日に両目同時に手術をするのですか?
A. 両目を手術する場合は、最低1週間程度間隔を開けて片目ずつ別々に手術を受けていただきます。
Q. 術後の安静はどのくらい必要ですか?
A. 当院ではできる限り患者様への負担の軽い手術を心掛けておりますので、手術後も安静に寝ていなければならないということはありません。
多くの場合、手術当日でも帰宅後から軽い家事程度をなさることは可能です。翌日以降は外出も可能なことがほとんどです。
Q. 術後は目を使わず休ませなければなりませんか?
A. 手術の当日は手術をした眼は眼帯をしているため見えませんが、翌日からはテレビを見たり本を読むなど、目を使うことはとくに差し支えありません。
Q. 入浴、洗顔、洗髪、お化粧はいつから可能ですか?
A. 入浴やシャワーは手術翌日から可能ですが、首から下だけにして目に水が入らないようにして下さい。ご自身での洗顔、洗髪、目の周りのお化粧は手術後1週間程度はお控え下さい。その間は、お顔や頭は固くしぼったタオルで拭く程度にして下さい。なお、美容院などで洗髪をしていただくことは可能です。(仰向けで目に水が入らないような方法で。)
Q. 仕事はいつごろから可能ですか?
A. 個人差はありますが、一般的に事務仕事程度であれば手術翌日から可能です。
力仕事などについては目の状態やお仕事の内容にもよりますので、医師にご相談下さい。
Q. 車の運転はいつごろから可能ですか?
A. 手術後の視力の回復度合いや、反対目がどのくらい見えているか等によって患者様ごとに状況が変わってきますので、術後の診察を受けながら医師にご相談下さい。早い方では手術の翌日から運転可能ですが、一般的には術後の炎症が落ち着く4~5日目くらいから安心して運転が再開できるようになる方が多いです。
Q. スポーツや旅行はいつごろから可能ですか?
A. 汗をかかない程度の運動は、手術の翌日から可能です(ストレッチや軽いウォーキングなど)。
それ以上の強度の運動については術後の経過によって異なりますので、医師にご相談下さい。
激しい運動や、水泳、温泉などは手術後1ヶ月程度控えていただきます。
Q. 術後のメガネ作成はいつごろになりますか?
A. 手術後メガネの度数が安定するのにしばらく日数を要するため、通常は術後1~2ヶ月経ってからメガネを作成します。
お仕事の都合などでメガネを早めに作る必要のある方は、医師にご相談下さい。
Q. 術後の目薬はどのくらい続けるのですか?
A. 術後の点眼は、炎症を引かせて傷の治癒を促し、また細菌が感染するのを予防するために大切な役割を担っています。
術後の経過と共にだんだん点眼の種類と回数を減らしていきますが、通常は術後2~3ヶ月程度は続けていただきます。
Q. 白内障の手術は1回だけしかやらないのですか?
A. 一度白内障の手術を受けた方は、白内障がまた再発することはありませんので、もう一度手術が必要になることは基本的にありません。
ただし、手術の時に残しておく水晶体の周りの透明な袋の部分が、術後に濁ってくることはあります(これを「後発白内障」と呼びます)。その場合は、レーザー光線による処置で通院で簡単に治療が可能です。
一方、手術で患者様の目に入れさせていただく眼内レンズは、非常に耐久性が高く一生モノと言えるようなものです。
従って、眼内レンズを取り替えるようなことも普通はあり得ません。
ただし、非常に稀ですが、術後のメガネの度数が予想とかなりずれてしまったような場合には、目標度数に近い眼内レンズに取り替える手術を行う場合があります。
Q. 以前白内障手術を受けましたが、眼内レンズは入っていません。
A. 以前に白内障の手術を受けられた方で、何らかの理由で眼内レンズを入れないままとなっておられる患者様がいらっしゃいます(そのような目を「無水晶体眼」と呼びます)。
そういった方では、度数の強いメガネかコンタクトレンズを使わなければ見えにくくなっていることが多く、非常に不自由をしていらっしゃる場合があります。
そのような場合、目の状態によりますが、再手術で眼内レンズを入れて差し上げることができる場合があります。
ご希望の方は、医師の診察をお受けになってみることをお勧めします。
Q. 遠方に住んでいますが、手術は可能でしょうか?
A. 手術当日(あるいはその次の日くらいまで)、近隣の宿泊施設をご利用いただいて、遠方から手術を受けに来られる患者様も多くいらっしゃいます。
手術後の通院は、当院へ通われなくてもお住まいの地域の眼科様へご紹介させていただくことが可能です。適宜ご相談下さい。